今週も朝から晩まで頑張って働いた。
頑張った自分にご褒美を。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、もうひと頑張り。
重い腰を上げて、買いに行こう。
”あなただけの” 特別なさば缶 を。
この『週末SABA刊』は、あなたの“今週頑張った”を癒すちょっぴり贅沢なさば缶を紹介し、
各々によって変わる“サバ汁”の簡単な〆方まで解説している週刊コラムである。
週末さば缶#4|IKEA(イケア) ペッパードマッケレル 190g
嫌なことが多いこの世の中で、
幸せのカタチを改めようと、国民幸福度ランキング毎年上位の北欧の暮らしにいま注目が集まっている。
北欧らしいファッション、北欧らしい家具を日常に取り入れるところから幸せを考える。
しかし、その幸せの模倣行為はどうしてもコストがかかってしまう。
だからもっと簡単に、低コストで北欧らしい幸せを体験しよう。
“さば缶”で。
週末SABA刊#4は「北欧スタイル」と題して、
を紹介する。
言わずと知れた世界最大の北欧家具量販店のIKEAの食品コーナーにて販売されているこのさば缶、
実はIKEAオリジナル商品ではなくアマンダという会社が生産しており、一部オンラインショッピングでも購入可能だ。
獲れた魚をいろいろな調理法で楽しむ北欧の食スタイル。
スープやソテーに魚をいただくこともあるが、
今回は北欧のポピュラーな調理法の一つ、
「燻(いぶ)し、オイルに漬ける」をさば缶で楽しむ。
数あるさば缶を見てもめったに無いさば缶であるし、楽しみだ。
北欧スタイルを堪能しよう。
外缶(観)
いかにも欧州らしい商品のパッケージ。
いつの時代に撮影したのか?とツッコミを入れたいほど古臭い画像と、
規格の認証マークが点々としている感じがなんとも欧州の商品らしい。
パッケージの上部には「PEBERMAKREL(ペッパーマッケレル)」と表記されている。
「PEBER」は英語に変換すると「PEPPER」で、胡椒を指し、
「MAKREL」は英語でさば科の魚の総称。
そう、このさば缶は燻した鯖をオイルに漬け、味のアクセントとして黒胡椒を加えているのだ。
ちなみに、
「PEBERMAKREL」の下に小さく記されている「ROGET」はデンマーク語でスモーク(燻製)を意味する。
外国の商品はぱっと見で意味がわからず、すぐに裏面の日本語説明表記を確認してしまいがちだがちゃんと確認すると色々な学びがある。
デンマークをはじめ、北欧へ訪れた時までに覚えておこう。
そして、やっと日本語表記の商品説明を確認。
ここで注目すべきなのは、原材料名中の「ひまわり油」。
サーデインなどで使用しているオイルはチープな油を使用することが多いが、こちらのさば缶はオリーブオイルに次いで健康油として注目を集めるひまわり油を使用している。
ひまわり油はビタミンEが豊富で、抗酸化作用がある。
体内の酸化を抑えることは、健康面だけでなく美容面でもアンティエイジング効果もあり、摂取して損のない油分。
かと言って、取り過ぎは良くない。
注意しておこう。
中身
そういえば、平たい缶に入ったさば缶は初めて食す。
こういった形状の缶詰といえば、サンマの蒲焼きがすぐに思いつくのだが、
ということは…。
中身を確認していこう。
燻しによって茶色く色づいた鯖がひまわり油の中で鎮座していた。
胡椒も大粒だ。
上で『平たい缶に入ったさば』について触れたが、そこで勘づいたのが“フィーレ”になっているのではないか、ということ。
つまり、鯖の三枚おろし。
一般的なさば缶は、丸い高さのある缶に入るよう中骨をくり抜いた身を丸ごと詰めたタイプが多いが、
このさば缶は手が込んでおり、鯖が三枚におろされている。
「燻製×オイル漬け」を食す珍しさに加えて、
三枚におろされているさば缶を食べられるという体験もできて幸せは倍増する。
北欧スタイルは幸せのために手間を惜しまず、丁寧に食を楽しむのだ。
その粋な計らいに感謝して、幸せな時間を過ごそう。
肝心な味は、
厚切りのベーコンのような味に仕上がっている。
『燻製』ときたからベーコン。という安直な考えでは決してない。
燻しによって水分量が減り、良い意味で魚らしさが無くなった魚肉。
それがオイル漬けによってジューシーさを増している。
上身と下身が三枚おろしにしては分厚く、噛みごたえがある。
それがベーコンと表現した所以。
三枚おろし時に取り除かれる余計な小骨がないこともあって、魚肉の味だけに集中できる。
新しいさば缶の楽しみ方も魅力的だ。
原材料に食塩が含んでいるのだが若干塩味が足りない気がしたため、自前の塩で味の調整を行った。
「オイル×塩」の組み合わせは世界共通で最高だ。
お好みで足してみてほしい。
箸が進むのは良いが、このコラムの醍醐味である〆方を考えることをやめていた。
しっかり考えなければ。
普段であれば切り身を全て食べ切って残った“サバ汁”を使った〆方を紹介しているのだが、今回はそのサバ汁が「ひまわり油」ともあって若干汎用性が低い。
いくら健康に良いひまわり油も取りすぎは良くない。
“サバ汁”とみなして、〆方を考えるのは難しそうだ。
ということで今回の『サバ汁の〆』は、少しだけさばの切り身を残し、それとひまわり油を使って楽しむとしよう。
サバ汁の〆方
今回の〆に使うのは、
ラスク
欧州らしく弾力のある小麦を使ったフランスパンで〆るとしよう。
〆方
レシピなんぞない。
ひまわり油に浸かっていた鯖をラスクにのせ、大きな口を開いて食べるだけ。
これが最高に美味しい。
一つ工夫をするのであれば、
チーズラスクを選択するのがよい。
チーズラスクが手に入らなければ、粉チーズを塗してもいいだろう。
ラクスの固い食感に加えて、
『チーズ × 鯖 × 燻製の香り × オイル』
の組み合わせ。
説明はいらないだろう。ぜひ、試してみてほしい。
まとめ:週末さば缶#4|IKEA(イケア) ペッパードマッケレル 190g
ヒュッゲ(Hygge)という言葉を聞いたことがあるだろうか。
北欧の国 デンマークの言葉で「居心地がいい空間」や「楽しい時間」のことを指すのだが、概念は漠然としていてデンマークの人々は何かとこの言葉を使い、想いや考えを共有するのだという。
「今、ヒュッゲだった」
「ヒュッゲなアイテムになりそうだ」
のように使うらしい。
一方で、日本には幸せを感じた瞬間や心地よさを感じた時にそれを表現するための口語がない。
北欧らしいファッション、北欧らしい家具を日常に取り入れる『幸せの模倣行為』を急ぐよりも、
焦らず、日常の小さな幸せな瞬間を「幸せだ」と自覚し、共有する方が簡単なのかもしれない。
それを考える時間のお供に僕が紹介してきたさば缶があれば、
これほど素晴らしいことはない。
一緒に小さな幸福缶(感)を手にしよう。
#4 缶(完)
今回紹介したさば缶
来週もきっと朝から晩まで頑張って働く。
今のうちにご褒美を考えよう。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、
財布が緩いうちに、買っておこう。
”あなただけの” 特別なさば缶 を。
僕は次の週末に向けて“さば缶”を探す旅に出る。
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