今週も朝から晩まで頑張って働いた。
頑張った自分にご褒美を。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、もうひと頑張り。
重い腰を上げて、買いに行こう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
この『週末SABA刊』は、日本中の“今週頑張った”を癒すちょっぴり贅沢なさば缶を紹介し、
各々によって変わる“サバ汁”の簡単な〆方まで解説している週刊コラムである。
週末さば缶#5|マルハニチロ 月花さば 水煮
『ロングセラー商品』と聞いてあなたはどんなモノを想像されるだろうか。
夏目漱石も愛飲していた三ツ矢サイダー?
森永太一郎がアメリカから製法を持ち込んだ森永キャラメル?
三菱鉛筆?かっぱえびせん?
思いついたモノがそれぞれ違えど、誰しも1つや2つ、どんなジャンルにもロングセラーと思える商品があるのではないだろうか。
例に漏れず、さば缶界にもロングセラー商品は存在する。
それには“ロング”と言えるほど長い歴史に加えて、変わらないこだわりがある。
今回はその歴史とこだわりに着目してさば缶をいただくとしよう。
週末SABA刊#5は「世界に駆けた月花」と題して、
言わずと知れた日本の大手食品会社マルハニチロのロングセラーさば缶
を紹介する。
半世紀以上にわたって、日本の食卓で愛され続けるこのさば缶を、
変わらない“3つのこだわり”と缶詰の“歴史”について触れながらいただこう。
そこにはたくさんの発見があるはず。
外缶(観)
まず、パッケージを見て目につくのは赤い円の中にある「月花」の名とロゴ。
マルハニチロのプレミアム缶詰|「月花」シリーズであることを示している。
昭和30年代に誕生したこの「月花」は、
もともと海外向け商品「フラワー・ムーン」ブランドの名で輸出していたのが始まり。
その頃は鯖をフレッシュパックの水煮に加工してヨーロッパやアジアに展開していたのだという。
現在では輸出向けとしてではなく、マルハニチロが国内向けに販売しているさば缶詰の上級ブランドとなった。
ちなみに、「満月」に「桜の花」をあしらい“象徴的な日本の美”を表したことが由来とのこと。
普段何気なく見ている缶詰もその「色」に着目するとこれまた面白い。
何の変哲もない缶詰だが、
近ごろ販売されている缶詰の多くは銀めっき色の缶詰であるため、こういった金めっき色の缶詰を見ると新鮮に感じるのだ。
「満月」を意識しているか否かは不明瞭だが、どこかプレミアムな印象を受ける。
ところで、
「缶詰」の起源にかの有名な偉人が携わっているということをご存知だろうか。
革命期、その偉人は「栄養豊富で新鮮な美味い兵食を大量に確保することが、 兵士達の士気を高めることに直結する」と考えていた。
当時の食物貯蔵法では食べ物の腐敗や味の劣化が著しかったため、懸賞をかけて“長期保存できる食物貯蔵のアイデア”をフランス中から募ったという。
そして「瓶詰め」というアイデアが採用され、のちの瓶詰・缶詰といった容器への密閉保存による食品保存の考えが育った。
懸賞をかけてまで、兵士の士気を守りたかったその偉人とは革命家 ナポレオン。
彼がいなかったら、食の発展は今ほどまでになっていなかった。
缶詰ブームは少し遅れて訪れただろうし、僕もさば缶に興味を持つこともなかっただろう。
さば缶に関連しない余談がすぎたが、
こんな記事を読まない限りこんなことを知ることはなかっただろう。
つまりは、こんな記事を読めばこんなことを知ることができる。
商品の裏側を見ると内容量が200gと記載されている。
数あるさば缶の中でも大容量の部類であるこの月花さば 水煮。
カット寸法約40mmでボリューム感たっぷりな魚肉を楽しめるのが、月花シリーズの変わらないこだわりの1つ目。
そんな鯖に会えることが楽しみだ。
外缶(観)はこれくらいにして、
さっそく中身を覗いてみよう。
中身
少し硬めにしまった蓋を開ける。
そうすると、マルハニチロこだわり2つ目の“天日塩水”の中に大きな鯖が浸っていた。
この天日塩は熱を加える釜炊き塩よりも海水のミネラルが壊れにくく、中にいる鯖にとっても優しい。
入っている鯖の切り身の数はさば缶界では珍しく“二”切れ。
三切れが一般的なのだが、「月花」は数よりも大きさ。
上でも述べたカット寸法40mmの魚肉がどっしり座っている。
普段から一般的なさば缶を食べていた人からしたら、その大きさにかなり驚くだろう。
一切れあたりの大きさを写真に納めたかったが箸で持ちきれず、
皿に移し替えた時にほぐれてしまった
「月花」シリーズのこだわり3つ目は“脂が乗った大型の鯖”を使うこと。
この“脂が乗った”は、具体的に表現すると皮と身の間にある脂に厚みがある状態。
これが美味しい鯖を見極めるポイントであり、この「月花」シリーズに使われるさばも同じ。
ぜひ、この月花さば 水煮を手に取り、そして蓋を開け、鯖の切り身の大きさ・脂・水煮の塩加減を知ってほしい。
サバ汁の〆方
毎缶(刊)のことになるが、記事の最後に『サバ汁の〆方』と題して高級さば缶を最後まで楽しめる方法を用意している。
今回も紹介していくとしよう。
良さそうと思ったらぜひ実践してみてほしい。
〆方
今回の『サバ汁の〆方』ではマルコメ フリーズドライ 顆粒みそ汁 料亭の味 あおさを使って〆る。
安心してほしい、週末の疲れた体で凝った調理はさせない。
サバ汁を片手鍋に移し、水は加えず、そのまま加熱する。
1,2分加熱すると塩水の中に残った少量の魚肉と脂が踊りだすので、そのタイミングでフリーズドライを入れる。
できた鯖エキスたっぷりのあおさ味噌汁を残しておいた鯖の上にかける。
これが最高に美味しい。
水は加えず、サバ汁だけで作ることでオイリーに仕上がり、濃厚な味噌煮風に生まれ変わる。
若干少ない液量なため、味噌が“半溶け”状態になり、ドロッっとした感じた味わいにもなるのもポイントだ。
「あおさ×さば」で、DHA、EPA、食物繊維、ビタミン、カルシウムを総取りでき、健康な明日に向けて給油完了だ。
素敵な週末を迎えよう。
まとめ:週末さば缶#5|マルハニチロ 月花さば 水煮
水煮はさば缶の中でもシンプルであるが故に身の質や満足する要素が重要になってくるのだが、
この月花さば 水煮は高品質な鯖とサイズ、そして水煮に使用する原材料のこだわりで僕たちを満足させてくれる。
そしてどんな人をも満足させてきた結果が半世紀以上の長い歴史を作ってきたのだと思う。
ただの鯖の水煮、されど鯖の水煮
変わらない本物志向と高品質で愛されてきたさば缶を深く味わえたその時、そう思えた。
記事作成にあたり「月花」シリーズの背景・由来についてマルハニチロ株式会社 様へ直接伺い、担当者の方にご回答いただきました。このような小物ブロガーに対してご丁寧に対応してくださったご厚意もありこの記事があります。このような場ではありますが、感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。
さらにさば缶が、月花さば 水煮が好きになりました。
#5缶(完)
今回紹介したさば缶
来週もきっと朝から晩まで頑張って働く。
今のうちにご褒美を考えよう。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、
財布が緩いうちに、買っておこう。
”あなただけの” 特別なさば缶 を。
僕は次の週末に向けて“さば缶”を探す旅に出る。
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