今週も朝から晩まで頑張って働いた。
頑張った自分にご褒美を。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、もうひと頑張り。
重い腰を上げて、買いに行こう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
この『週末SABA刊』は、日本中の“今週頑張った”を癒すちょっぴり贅沢なさば缶を紹介し、
各々によって変わる“サバ汁”の簡単な〆方まで解説している週刊コラムである。
週末さば缶#8|K&K 缶つま さば味噌イタリアン
日本とイタリア。
「南北に長い弓なり地形」と「南北に長いブーツ型地形」。
「日本料理」と「イタリア料理」。世界中に浸透している立派な食文化。
「Made in Japan 」と「Made in Italy」。世界的に賞賛されるものづくり文化。
こうしてみると2つの国は何かと共通する要素が多いように感じる。
マルコ・ポーロが「東には日本という国がある」と西欧諸国に紹介したことを発端として、日伊の条約締結など今日に至るまでさまざまな国交を結び、互いに影響を与え、与えられる関係を築いてきた。その歴史は150年ほど。
しかし、どうだろう。
“共存”の歴史はあっただろうか。
“食”や“ものづくり”をとってもそれぞれ独立しているのが一般的で、互いに尊重し、高貴な存在としてみなしてきたことで食やものづくりを“交じり合わせる”という発想はなかったのではないだろうか。
「ナポリタンは?」
あれは、日本の料理。イタリア ナポリのインスピレーションどころかアメリカを真似て作られたものだ。明太パスタなんてものも同じだ。
バーニャカウダ、カルパッチョ、カプレーゼ、ティラミス。どれをとってもその頭に「和風」という文字を見ない。
ものづくりについてもイタリアと日本がうまく調和された例がパッと思いつかない。
そんな中、共存を成立された一例がある。それがさば缶でだ。
それが今回の主役。
週末SABA刊#8は「鯖とロマンス」と題して、
を紹介しよう。
「K&K」もしくは「缶つま」というキーワードを聞いて、ピンときた人はかなりの“缶詰通”だ。ピンとこなかった人は一度はコンビニやスーパーで下のようなパッケージの缶詰を見たことはないだろうか。
引用元:Amazon
あの『高級缶詰ブーム』の先駆けになったこの「缶つまシリーズ」を手掛ける国分株式会社から販売されている缶詰である。
今回紹介するさば味噌イタリアンはその高級缶詰シリーズとは違い、比較的手に取りやすい価格で販売されている缶詰。
注目すべきは「味噌 × イタリアン」という類を見ない組み合わせを商品化したことだ。
日本人が愛する発酵食品 味噌と彩豊かな食材をオリーブオイルや豊富な調味料で仕立てるイタリアン。
その組み合わせは果たして。
新鮮な“共存”を楽しむとしよう。
外缶(観)
パッケージ上面。
「さば味噌イタリアン」の文字と本商品の内容が一目でわかる商品イメージ画像。
赤い色とイタリアンから想像するにトマトベースの味付けであることは間違いなさそうだ。
よくみると「さば味噌のイタリアン」のフォントがとても可愛らしい。
「缶つま」のロゴマークもイタリアカラーで、細かなこだわりが見てとれる。
こんな小さな商品パッケージに色々な工夫が詰まっている。見ているあなたにもぜひさまざまなパッケージングを嗜んでほしい。
パッケージを拡大して見てみる。
缶詰の縁に沿って次の記載があった。
「さば味噌煮をトマトソースでイタリアンに!」
なるほど、
さばの味噌煮にトマトソースを添えたわけか。
甘い味噌とトマトの酸味がケンカしないのか?と少し心配だが、ちゃんと食べて確かめよう。
トマトソース以外の原材料についても見ておこう。
砂糖、玉ねぎペースト、白ワイン、オリーブ油、食塩、おろしにんにくがメインで入っているようだ。
抜かりない。本格的な“イタリアン”なのであろう。
中身
中身を覗いていくとしよう。
開けると熱々のデミグラスソースのかかったハンバーグのような“肉”が見えてきた。
しかし、その肉は“魚”肉。熱々でもない。
ドロついた赤色、「赤銅色」といったところだろうか。
ここまで濃い赤色に鯖が染まることは珍しい。やはり新鮮だ。
固形量(切り身の量)が90gと一般的なさば缶の中でも切り身のサイズは小さい目。そのサイズを補うかのようにトマトソースがたっぷり入っている。
早速味わってみる。
脂は控えめ。わずかに胡椒の香りがする。
また、噛めば噛むほどニンニクの旨味がじわじわと口の中に広がる。といった感じだ。
さすが「缶つま」。
缶ビールを開ける「カッ!」という音が恋しくなる味だ。
このさば缶のような「調味漬缶詰」はソースや味付けの染み込みが甘いことが多く、味の薄さが懸念ポイント。
しかし、この缶詰はしっかり味が染み込んでいる印象を受けた。
それもトマトソースに浸す前にじっくりと味噌煮をしているからであろう。さらに、玉ねぎとおろしにんにくが入ったトマトソースのドロっとした食感も相まってその濃厚な味わいが増しているようだ。
肝心な味噌の“甘さ”とトマトの“酸味”の組み合わせについてだが、問題なし。
しっかりと共存している。
味噌の甘みがトマトの青臭さを補い、濃厚な味噌にトマトのスッキリ感が混ざり、調和している。。
主役である鯖については熱したことによって歯応えが増し、噛めば噛むほど旨味が感じ取れ、全体的に満足感が大きくなっていく。
とても面白いさば缶に出会えたと思った。
さて、新鮮な“共存”を味わったところでいつも通り〆について考えていくとしよう。
サバ汁の〆方
毎缶(刊)『サバ汁の〆方』と題して鯖の切り身を食べた後に残った汁を使って楽しめる方法を用意している。
今回は鯖の切り身一切れと味噌が混ざったトマトソースを〆に取って置き、もうひと工夫する。
〆方
今回〆を楽しむために用意したのはスライスチーズ。
このスライスチーズを湯煎で少しだけ温めてトマトソースの中に投入する。
本当は布団のように被せたかったが、このセンスの無さである
チーズに付着した黒い粒は胡椒・鯖の切り身
“トマト×チーズ”。なんとも安直な考えからこの〆を考えたが、普通の“それ”とは違う。
なんせ、そこには味噌が含まれているからである。
温めたスライスチーズを贅沢にも一口でいただく。週末だからこんな贅沢もいいのだ。
溶けるチーズとその周りに絡んだ濃厚なトマトソースは想像通りマッチしている。
世の中には「味噌チーズ」というレシピがあるくらいには、チーズの甘みと味噌の甘みは相性が良く、トマトソースの中に含んだ胡椒とにんにくのおかげもあってお酒も進む。
ただのトマトソースではないことがこの缶詰の“ミソ”。
胡椒やにんにく、玉ねぎなどソースを構成する様々な材料が〆まで僕たちを楽しませてくれる。
補足で、青魚特有の臭みを少しでも低減したいと思っている人にチーズ×鯖はおすすめの組み合わせだと伝えておきたい。
実はあの臭みのもとはDHAやEPAのオメガ3系脂肪酸の香りで、チーズやしょうが、バジル、にんにくを添えることでそれらの香りは低減する。
この記事を読んでいる人の多くが難なく鯖を口にできる人であろうから、友人や家族に鯖の臭みが苦手な人がいたら、ぜひこの知識を共有してあげてほしい。
まとめ:週末さば缶#8|K&K 缶つま さば味噌イタリアン
イタリアをはじめ、フランスやスペインなどの西欧の人々はそのほとんどがラテン民族。
芸術に長じ、情熱的な民族であることは自明だ。
そんなラテン民族にはもう一つの呼び名があり、
ロマンス民族
こう呼ぶこともある。
「ロマンス」。男女間の愛情に関する話。あるいは、現実にはめったにないような、冒険的な事柄を想像させるような単語だ。
今回紹介したさば缶も冒険的な商品だった。
味噌とイタリアントマトソース。そしてなんといってもその二つの間にいる主役は鯖。
強烈なインパクトがあった。
人生で「鯖と味噌とイタリアン」の組み合わせを食す機会はなかなかないと思う。ぜひ、一度召し上がっていただきたい。
また、
日本の食が盛んにイタリア進出したことで、味噌がポピュラーな存在になっているらしい。健康食として「ミソスープ」も嗜んでいるそうだ。
“向こう”も僕たちの食に興味を持ち始めている。
共存が盛んになる予感がする。
#8 缶(完)
※トリコロールをイメージして左に緑、真ん中に白、右に赤を置きたく、写真のようにピーマンとトマトを配置した。
ピーマンは入っていない。ご承知おきを。
来週もきっと朝から晩まで頑張って働く。
今のうちにご褒美を考えよう。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、
財布が緩いうちに、買っておこう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
僕は次の週末に向けて“さば缶”を探す旅に出る。
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