今週も朝から晩まで頑張って働いた。
頑張った自分にご褒美を。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、もうひと頑張り。
重い腰を上げて、買いに行こう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
この『週末SABA刊』は、日本中の“今週頑張った”を癒すちょっぴり贅沢なさば缶を紹介し、
各々によって変わる“サバ汁”の簡単な〆方まで解説している週刊コラムである。
週末さば缶#13|田村長 鯖の缶詰 醤油味 生姜入
「朝食を食べないと体に悪いから必ず摂取する」
そんな小さい頃に教わったルールを貫いている人がいる一方で、「朝食を食べると満腹感で午前の仕事が捗らないから朝食を摂らない」「そもそも時間がないから食べない」という人もいるだろう。
もしかしたら、「節約のために食べない」という人も少なからずいるだろうか。
では、
健康的な観点や行動パフォーマンス観点を抜き、さらには有り余る時間と費用があるという前提を踏んだ場合、あなたは朝食を摂るだろうか?
Yes/Noの判断基準となるのはおそらく「朝食を摂ると幸せになるか」という観点になるだろう。
いかがだろうか。
僕は「Yes」。
食を楽しむという幸せな機会を一度でも損失しないためにも、より多くの食事を摂っておくべきであると思う。
そこで、何を食べるか。
人は飽きる生き物だから毎日違った朝食を摂ることが幸せにつながるし、それがベストだと思う。ただ、毎日同じ朝食を摂るという普遍かつ、不変的な幸せの形もあると思う。
そんなこんなで、このコラムの主役であるさば缶というジャンル限定で「飽きずに、毎日食べても美味しいと感じられるものどんなモノだろうか」と考えてみた。その末「これなら」と言えるさば缶を1つ選んだ。
それが今回紹介するさば缶だ。
週末SABA刊#13は、
を紹介する。
販売元は福井の地で江戸時代から海産物商を営んできた 株式会社 田村長。
正直会社の名前を聞いてピンと来る人は少ないと思うが、昭和60年から東京日本橋高島屋と京都高島屋に直営店を構え続けていると聞けば、得難いブランドであることは容易に想像つくだろう。
さて、
天皇の朝食を支え続けた御食国(みけつくに)であった福井県に拠点をおくこの老舗はどんな幸せを与えてくれるか。今回も細かい点に着目してその真相を探っていくしよう。
外缶(観)
蓋の上には「しょうが」と書かれたシールが貼られている。
この田村長 鯖の缶詰シリーズには今回紹介するこのしょうが味を含め、スタンダードな醤油味、味噌煮、珍しい唐辛子入、昆布入の種類があり、それぞれの味を上から識別するためにシールが貼られているのだろう。
パッケージで印象的なのは、毛筆フォントで大きく書かれた「鯖」の文字。
白い余白の中で大きく、凛々しい文字を見ると力強さを感じるし、酒蔵や味噌蔵の前に立つ看板を思い起こす。”老舗感”を与えるパッケージデザインだ。
パッケージの裏には、「若狭と鯖」の歴史について記されている。
田村長の拠点である若狭小浜は朝廷(京都)に食料を献上する御食国(みけつくに)としての役割を担っていた歴史があり、当時 献上物として日本海側で獲れた海産物を京都に運搬していた。
その海産物の中でも盛んに「鯖」を献上していたという背景から、若狭街道(若狭と京都を結ぶ街道)が「鯖街道」と呼ばれるようになった。
街道をゆく人々は、
「京は遠ても十八里」
と言いながら、海産物を朝廷に届け続けた。
「若狭と京都は遠いようで近い」と互いに暗示をかけながら同士を鼓舞させ、一昼夜かかかる険しい十八里(72km)もの道のりを何度も乗り越えていたのだ。
(※過去の記事で詳しく若狭と鯖の歴史を書いている、更に気になった際は右の参考記事を参照していただきたい(→参考記事))
原材料表示を見ておこう。
鯖はノルウェー産を使用している。
「日本の老舗が日本の鯖を使わないのか」とツッコミを入れたくなる気持ちもわからなくもない。
ただ、世界の中でもダントツで脂乗りが良いとされるノルウェー産の鯖を缶詰で食べられる機会もなかなかないので、貴重な幸せな機会だと思って食べるべきであると思う。
そして、その鯖に田村長 独自の醤油の味付けをし、上から生姜のペーストをかけているというわけだ。
中身
蓋を開けると、生姜ペーストがまんべんなくかかった切り身の姿が見えてきた。
醤油色に染まったそれに、おろしペーストがかかっていると焼き肉に来たかのような気持ちになる。
缶詰の面積いっぱいに詰まった切り身。一般的なものに比べてサイズは大きい。
これは人力による詰め工程があってのこと。
一般的なさば缶のように機械で切り身を缶に詰めるためには身が崩れないように缶の口の大きさよりも一回り小さく切り身をカットしなければならないが、田村長では1個1個手詰めするため、缶いっぱいの大きさの鯖の切り身を入れることができるのだ。
一切れ食べてみる。
意外にもスッキリとした味わい。食感は柔らかすぎず、硬すぎない必要十分な弾力が残されている。
といった印象だ。
醤油味ともあって、味に少し重みを感じてしまうのかと思いきや軽量感があり、想像以上に食べやすい。また、スチーム蒸しによって仕上げられた鯖は引き締まった身の硬さを残しつつ、後に脂の柔らかさを感じるようになってくる。
生姜ペーストのアクセントも”丁度よい”。
ペースト状の中でわずかに残るシャキシャキ感。爽やかな香りが口の中でじわじわと広がっていく感覚がとても好印象だった。一番の味として先頭に立とうという主張は決してなく、”添えられている”という表現がピッタリなくらい控えめに口の中に登場してくる。それが丁度良いと思った所以。
これくらい落ち着きのあるかつ、満足感の高いさば缶であれば、毎日の食事に登場しても良いと感じた。
サバ汁の〆方
毎缶(刊)『サバ汁の〆方』と題して鯖の切り身を食べた後に残った汁=サバ汁を使って楽しめるレシピを用意している。
本缶のサバ汁は醤油と生姜ペーストが溶け込んだこの汁。
これと”あるもの”を使って〆たいと思う。
〆方
あるものとは「大根おろし」
醤油と生姜という2つのキーワードからピンときた。
サバ汁に大根おろしを混ぜ合わせ、「万能トッピング」を作ろうと思う。
まずは余ったサバ汁へ大根おろしを投入し、おろしの食感がゼロにならない程度に混ぜ合わせる。
この「万能トッピング」は味噌汁に入れてもいいし、漬物やキムチなんかに添えて食べると美味しいと思う。
僕の場合は納豆にかけて食べることにした。
なんの変哲ものない納豆に爽やかな食感と生姜の香りが加わり、いつもとは違った納豆を楽しめる。
また、鯖の脂が含んでいるからか一般的な醤油×大根おろしよりも辛さが低減されて、マイルドな印象を受けた。
ぜひ、気になった方はやってみてほしい。
まとめ:週末さば缶#13|田村長 鯖の缶詰 醤油味 生姜入
伝統の製法で作られた優しい醤油に浸され、わずかに食感が残った生姜ペーストが乗ったさば缶。世に存在するさば缶に比べてインパクトこそないが、満足度も高くサバ汁の運用方法の幅も広がる”優等生的な”さば缶だったと思う。
そんなさば缶を毎朝食べたいと思った。
明日もこのさば缶を食べよう。そしてその次の朝も。
ただ、僕には違うさば缶を説明する義務があるのでそれくらいにしておく。
今回紹介した関連商品
#13缶(完)
来週もきっと朝から晩まで頑張って働く。
今のうちにご褒美を考えよう。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、
財布が緩いうちに、買っておこう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
僕は次の週末に向けて“さば缶”を探す旅に出る。
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