今週も朝から晩まで頑張って働いた。
頑張った自分にご褒美を。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、もうひと頑張り。
重い腰を上げて、買いに行こう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
この『週末SABA刊』は、日本中の“今週頑張った”を癒すちょっぴり贅沢なさば缶を紹介し、
各々によって変わる“サバ汁”の簡単な〆方まで解説している週刊コラムである。
週末さば缶#14|岩手缶詰 国産サバ缶 パクチー風味
辛すぎる、臭すぎる、苦すぎる
こういった味覚や嗅覚に不快感を与える食べ物は嫌われやすい。中でも最も有名であろう食べ物といえば今回の鯖の脇役 パクチー。
鼻を通り抜けるなんとも言えない独特な香りを放ち、”カメムシみたいな匂い”と表現されるくらい不快な食べ物の代表格だ。
『世の中の約15%の人が嗅覚受容体遺伝子に起因して必然的に「パクチーが無理」と感じてしまう』という研究結果が出ているので、パクチーを好まない人に対して「食わず嫌いなだけだ」とは言えない。というわけで、今回は残りの75%の人に向けて発信をしようと思う。
いきなりだが、パクチーにまつわる誤解や意外なことは多い。
例えば、
ベトナム・タイ料理に多く使われるパクチーの原産は地中海沿岸であるということ。料理のイメージが先行し、原産は東南アジアだと思い込んでいる人もいるのではないだろうか。「あの地域の人はモノ好きだから、そこら辺で拾った草を香り付けにしては今でもそんなもの食べているのか」なんて考えていた人は大きな勘違い。
また、
「コリアンダー=パクチー」であるということも意外と知られていない真実。
本格カレーには必須のスパイス コリアンダーのタイ語が「パクチー」であり、実は同じ植物である。そんなことも知らず「パクチーは嫌いだけど、本格カレーは大好き!」なんてことを言っている人がいたらそっと耳元でその真実を告げてあげよう。
最後は、
“パクチーは鯖に合う”
…。これってホント?
週末SABA刊#14は「パクチー×鯖」と題して、
を紹介する。
販売元は岩手缶詰。缶詰だけに限らずレトルト食品やゼリー、飲料など販売している品目はさまざま。さば缶の領域ではチョコレート風味やコンソメ風味のさば缶などバラエティに富んださば缶を販売しているユニークな会社である。
パクチーを使う料理といえば、よだれ鶏や牛肉フォーなどが挙げられ、「肉」に合うことは少々自明である。
ただ、鶏肉や牛肉のような臭みを感じにくい家畜の肉とは違い、匂いがキツく感じてしまう「魚の肉」であった場合その味や香りがどのように化けるのか。それが今回のポイントだと思う。
めったに家でエスニック料理など食べることがないので、異国風な味付けのさば缶を味わえるという意味でも楽しみは増してきた。
今週もよろしくどうぞ。
外缶(観)
パクチーの葉の色よりも少しだけ濃い緑をパッケージに採用している。
パッケージの真ん中には大きく「鯖」の文字が記され、その右横に「パクチー」の文字。世界中どこを探してもこの2つの文字がピッタリと横に並ぶのはこの缶だけだと思う。
もう少し近寄って見ると、筆で描いたような模様がパッケージの深緑の上についていた。
パクチーの葉をイメージしてデザインされたものなのか、はたまた鯖が勢い良く泳いだあとにできた水線を示したのかについては不明瞭だが、この模様がないと少し安っぽく見えてしまうなと感じた。
こういった小さな箇所も商品のイメージや手に取る人の購買意欲を左右する要素になりうるのだから奥が深いなといつも思う。
ちなみに、英字で「coriander」と記されていた。
このパッケージを見て、どれだけの人が「パクチー=コリアンダー」という事実を知るのだろうか。
原材料表示を確認しておく。
鯖とパクチーの引き立て役にオリーブオイル、食塩、おろしにんにく、おろししょうがなどが使われている。内容はすごくヘルシーで、この缶一つでその日の料理のメインになりうる仕立て。
総量170g、固形量100gで高級さば缶の中では固形量が少ない分類。味でどこまでそのハンデを賄うことができるか。そこにも着目して早速中身を見ていくとしよう。
中身
少しだけ硬めの蓋を開けると、”あの”香りがほのかに香った。
そして、オリーブ色のサバ汁に浸っている切り身が2つが見えた。
オリーブオイルのおかげかパクチーの香りは”きつい”と感じることはなく、ほのかに香る程度。
あの香り高い風味のイメージのパクチーに優しさを感じることもあるのか。と思いながら一口食べてみる。
感想は、
フォーやサラダに乗っているパクチーの葉の香りに比べるとその香りは1/3といったところ。
主役の切り身はその身の固さを残しつつも、お腹の外側の脂とオリーブオイルの油分が相まってまろやかに感じられた。
蓋を開けたときの香りの印象とはなんら変わりなく、パクチーの香りは優しい。それを苦手としている人でも口にしやすいと思う。
念の為Amazonのレビューを確認したが、「これくらいなら食べれる!」とコメントをしていたのでこの感想は間違いではないと思う。
また、レモン果汁が含んでいることもあってか「さっぱりさ」が加わっている印象を受けた。
パウチーはあくまでもハーブであり、香り付け。
「そのハーブが本当にこの料理に必要なのか?」
「ああ、必要だ」
そう言わせるためには主役の鯖や調味料たちが各々のスキルを発揮しなければ、その答えに納得感は生まれず「ただのエンタメ商品か」となってしまう。
ただ、今回紹介した国産サバ缶 パクチー風味は主役の鯖はもちろん、脇役のレモン汁やオリーブオイルたちが各々のスキルを発揮し、”まろやかさとさっぱりさを感じる鯖”を作り出し、そうとなればハーブの存在が必要だ。としっかりとした根拠のあるさば缶であったと思う。
商品化の着想の段階で先にパクチーが登場していたか、それとも諸々の味付けが決まったあとに「これにはハーブが必要だ」となりパクチーが登場したのかは知らないが、どちらにせよ必然的な顔合わせであったのではないかと思う。
サバ汁の〆方
毎缶(刊)『サバ汁の〆方』と題して鯖の切り身を食べた後に残った汁=サバ汁を使って楽しめるレシピを用意している。
本缶のサバ汁はパクチーペーストと様々な調味料が染み込んだ、このオリーブオイル。
〆方
今回の〆で使うのは「サラダチキン」(〆と捉えて良いかは読む人の判断に委ねる)。
パクチー→よだれ鶏というイメージからこれを〆のお供に選定してみた。
凝った味付けがされていないサラダチキンを使いたかったため、プレーンに近い塩味のサラダチキンをスーパーで購入した。
レタスやパプリカなどの野菜の上に適当に刻んだサラダチキンをのせ、上から今回のサバ汁をまんべんなくかける。
ドレッシング代わりにサバ汁を使うというわけだ。
さっぱりした印象は変わらない。
ただ、そのさっぱりとした印象にも変化があり、レモン果汁の風味をより感じやすくなった。
先程まではあくまでも鯖の引き立て役であったが、ここではドレッシングとしてその味を主張してきたからだと思う。
この〆方で結果的に「鶏肉×パクチー」と「鯖×パクチー」の組み合わせを比べることになったのだが、鶏肉の繊維感と歯ごたえとは違う鯖の独特な身の解れ方とその食感に合わさるパクチーの香りを思い出し、今までに味わったことのない料理を食べていたのだと改めて気付かされ、新鮮な気持ちにもなった。
まとめ:週末さば缶#14|岩手缶詰 国産サバ缶 パクチー風味
オイルに浸ることでまろやか仕上がった鯖とほのかに香るパクチーが合わさる唯一無二のさば缶を紹介した。キーとなっていたのはレモン果汁。さっぱりとした印象を感じさせパクチーが苦手な人でも食べやすい商品であった。
改めて、
「鯖とパクチーは合う」
むしろなかなかいける。
この感想を残して、#14を終了しよう。
まだ知らぬ料理や食の組み合わせを体験したいと思った読者は是非、ご賞味あれ。
今回紹介したさば缶
#14 缶(完)
来週もきっと朝から晩まで頑張って働く。
今のうちにご褒美を考えよう。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、
財布が緩いうちに、買っておこう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
僕は次の週末に向けて“さば缶”を探す旅に出る。
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