今週も朝から晩まで頑張って働いた。
頑張った自分にご褒美を。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、もうひと頑張り。
重い腰を上げて、買いに行こう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
この『週末SABA刊』は、日本中の“今週頑張った”を癒すちょっぴり贅沢なさば缶を紹介し、
各々によって変わる“サバ汁”の簡単な〆方まで解説している週刊コラムである。
週末さば缶#18|STONE ROLLS お蕎麦屋さん風さばカレー
和食にはいろんなルールがある。
「味が薄い物から食べる」「お皿は重ねない」「お椀の蓋は元に戻す」など少しばかり教養頼りなルールを使って食の時間を過ごさなければならない。
しかし、そんな日本食の中でも蕎麦に関してはルールが存在しないような。そば処で老夫がそばを食べる姿はどこか立派で、なにかのルールに則って食べているかのように見えるが、それはルールではなく「粋」な食べ方をしているだけ。
つゆに漬けずに麺だけ食べたり、練りわさびを入れたり、蕎麦湯でめんつゆを割ったり。そこには各々が持ってる「粋」がある。自由だ。
そんな粋で嗜める料理と僕たちの主役である「鯖」を組み合わせたらどうだろう。せっかくルールがないのだから、「カレー×蕎麦×鯖」なんて超ド級な組み合わせをしてみようか。
週末SABA刊#18は「さば屋のカレー缶」と題して、
を紹介する。
販売元は「海の幸を、人の幸へ」をスローガンに水産食材を展開する STIフードホールディングス。高級魚のきんきやのどぐろ、銀だらなどの焼き物・干し物をオンラインショップで販売している。
それらに加えて3種類のさば缶を展開しており、そのうちの1つが今回のさば缶。
この「お蕎麦屋さん風さばカレー」は蕎麦屋のカレーの旨味やコクを再現している。和風だしの効いた蕎麦屋らしいカレーをさば缶で味わうという斬新さ。どこを探しても他にないだろう。
一風変わったこの一品を「粋」に嗜み、心地よい週末を迎えよう。
外缶(観)
紙に近い材質のラベリング。真ん中には大きな顔。
愛らしい鯖のキャラクターとポップなタイトルが印象的だ。
缶に近寄ってみる。
鯖をモチーフにしたキャラクターはよく見かけるが、このキャラクターがこれまで見た中で一番愛らしいかもしれない。
横に広い口と小さな目のバランスが絶妙で、自慢気にこちらを見ているようにも、嬉しそうに卓にのったカレー蕎麦を見ているようにも見える。
本シリーズではこの缶以外にも同じキャラクターが登場するので、ぜひ他の缶にいるこの子に注目していただきたい。
キャラクターの頭の上には「STONEROLLS(ストンロルズ)」の文字。
これはSTIフードホールディングスが展開するブランドの一種で、由来は本商品に使用される鯖の漁場「石巻」の英語直訳。「ストーンのロールス」なのだという。
7mもの津波が工場に押し寄せたあの震災から10年以上。
復興の思いと身も詰まったさば缶が今日も、明日も石巻の地から届く。
ラベルの商品説明にこう記されていた。
旬の時期の国産さば使用。
3種類の醤油をブレンドし、焦がし玉ねぎとかつおだしがきいた和風だしカレー。
ブレンドしているのは3種類のスパイスではなく、醤油。
このこだわりに後続して焦がし玉ねぎ、かつおだし。相当のこだわりと和の風味をきかしたカレーであることが分かる。
もはやカレーではなく、違う何かなのでは?と疑ってしまうほど。
最後にラベル裏を見ておく。
先程述べた醤油、玉ねぎ(ソテーオニオン)、かつおだしに加えて、みりんや砂糖、ごま油といった原材料が入っている。
少し甘めのカレーなのだと予想がつく。
固形量75g、内容量150gと一般的なさば缶のサイズ感。
価格も他のさば缶と比べると安価でスーパーやコンビニで見かけたときには手にとってしまいそうな手頃感がある。
中身
蓋の裏についたカレーが白いTシャツに1滴もつかないよう、そっと、一瞬たりとも集中を切らさず、優しく蓋をあける。
そうすると見えてきたのはカレーに浸った鯖。
カレーはデンプンを多く含んだとろみのある定番のそれとは違い、スープカレーに近い様子。
解けた鯖の皮が所々で浮いている。
普段見る銀色の背中もカレーに浸れば金箔のようになるのだなと関心していたら、カレーそばの注文が入ったときのそば処の香りがした。
豆皿に切り身を移してみる。
切り身の数は2つ。
どうやって食べるのがベストなのかと考えながら再度ラベルを眺めていると商品説明に「湯煎がおすすめ」と記されていたので、早速湯煎して熱々の玄米と一緒に食べてみようと思う。
やはりカレーとして食べるのがベストなのかもしれない。
175g缶に入っているほどのカレーなので、皿いっぱいにカレーが浸るわけではない。
しかし、ササッと食べられそうなボリューム感で少食な人からしたら嬉しい一品かもしれない。
湯煎したことで簡単に解けてしまう切り身に少量のカレーを絡めて一口いただいてみる。
印象は、
醤油、みりん、砂糖の甘さがしっかりと伝わり、後から鯖の奥の方からあの独特の”臭み”と和風だしの香りがやってくる。本当にカレーそばを食べているかのように錯覚するほど「蕎麦屋のカレー」が忠実に再現できている。
といったところ。
もう少し詳しく。
スープ状のカレーには感じ取れにくい”まろやかさ”を感じ、醤油やみりん、砂糖の甘さがそう感じさせるのだと検討がつく。子供や辛味が苦手な人でも難なく食べられるカレーだと思う。
「蕎麦屋のカレー」についての再現度は申し分ない。ところどころに感じるオイリーな風味の中にある蕎麦らしいさっぱりとした印象が混ざることで”そばとカレー”を一緒に食べているような感覚になる。
また、それはカレーであり、さば缶ではないのかと言われればそうではなく、しっかり”鯖らしさ”を感じることもできる。鯖の切り身を味わえば味わうほどその臭みや繊維感を感じ、それがさば缶であることをしっかり思い出させてくれる。
激戦ジャンル「カレー×さば缶」の中で、また一つ違った勝負の仕方を見せてきたSTIフードホールディングス。
こういった面白い、特質した商品は目に付きやすいし、試してみたいと思わせてくれるのでどんどんこういった変わり種がでてきてほしいと思う。
サバ汁の〆方
毎缶(刊)『サバ汁の〆方』と題して鯖の切り身を食べた後に残った汁=サバ汁を使って楽しめるレシピを用意している。
カレーさば缶はカレーとして食べることが多く、美味い美味いと食べていたらなかなかサバ汁が残らない。
ということで”味変”をしようと思う。
〆方
使用するのは、鰹節。
「追い鰹」で更に和の風味を盛り込むというわけだ。
使い切りのパックに入った鰹節を鯖の切り身にふりかける。
鯖の身から溢れた鰹節はカレーに浸ることでカレーの旨味とコクが増す。
「カレーの旨味とコクが増す」という表現が少し普遍的な表現に聞こえ、「ほんとに?」となった方に向けて。
鰹節を中心に調味料を扱う食品メーカー ヤマキのHPにて「かつお節自由研究」というページがある。そこでカレーに鰹節を入れてみるとどうなるかという実験を行ったところ、学生20名の官能評価で「旨味とコクが増した」という結果が出ていることから僕の主張は間違いではない。
また、「辛さが低減された」とも結果が出ているので激辛カレーに出会った際に試してみてもいいかもしれない。
追い鰹で更に和風さが増したカレー。
鯖と鰹は共存するのかと少し不安に思いながら口にしてみたが、意外にもマッチ。
鰹節を頬張ったときのあの乾いた香りが鯖の食感と繊維感をはっきりさせてくれる。意外にイケる。
まとめ:週末さば缶#18|STONE ROLLS お蕎麦屋さん風さばカレー
蕎麦屋のカレーの旨味やコクを再現したカレーを鯖と一緒にいただくという斬新なさば缶「STONE ROLLS お蕎麦屋さん風さばカレー」を紹介してきた。
醤油、みりん、砂糖の甘さがしっかりと伝わり、後から鯖の奥の方からあの独特の”臭み”と和風だしの香りがやってくるような味わい。本当にカレーそばを食べているかのように錯覚するほど「蕎麦屋のカレー」が忠実に再現できていると感じた。
ちなみに滅多にお目にかかれないさば缶。スーパー20店舗に1店舗くらいの割合で販売しているくらいの感覚。そんな缶詰なのでそのパッケージを見たときにはぜひ手にとってあなた自身でその”斬新さ”を体感してほしい。
今回紹介した商品
オンラインショップだと確実に購入できます
#18 缶(完)
来週もきっと朝から晩まで頑張って働く。
今のうちにご褒美を考えよう。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、
財布が緩いうちに、買っておこう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
僕は次の週末に向けて“さば缶”を探す旅に出る。
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