今週も朝から晩まで頑張って働いた。
頑張った自分にご褒美を。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、もうひと頑張り。
重い腰を上げて、買いに行こう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
この『週末SABA刊』は、日本中の“今週頑張った”を癒すちょっぴり贅沢なさば缶を紹介し、
各々によって変わる“サバ汁”の簡単な〆方まで解説している週刊コラムである。
週末さば缶#28|田原缶詰 鯖の西京漬け
日本列島、暑すぎる。
これまでが序章で、これから更に気温が上がってくるのではないかと思ってしまう今日のこの頃。
そんな中、世はお盆の時期に差し掛かった。
この期間で“涼さがし”を目的に遠出するという方も多いだろう。
縁側で名庭を眺め、背の高い木々の間から吹き抜ける涼しい風を感じる。といったような避暑できる場所はどこかにないだろうか。
おそらくある、「京」へゆけば。
しかし、
「そうだ、京都行こう」なんてフットワークの軽さを発揮できる国民はそれほど多くないので、今回は自宅で「京」を感じられるさば缶を紹介しようと思う。
週末SABA刊#28 のテーマは『京の在り方』。
これを紹介する。
販売元の田原缶詰は千葉県銚子に拠点をおく缶詰メーカーで、創業は昭和4年と90年以上の歴史を持つ老舗企業。この週末SABA刊では初めて取り上げる缶詰メーカーである。
さば缶のジャンルのなかでは珍しくなってしまった「西京漬け」。
シンプルな味噌を楽しみたいということであれば、味噌煮を選択すればよい。しかし、鯖を白味噌で味付けすることに意味があり、京らしい上品さ、高尚さというものを感じ取れるだろう。
今年の夏は外出しなくても良い。
このさば缶と冷やしておいた徳利、わずかに涼しい夜風さえあれば、それで十分そうだ。
外缶(観)
さば缶としては珍しいサイズ・形。
さば缶は通常背の低い円錐タイプか、平たい缶のどちらかに分かれる。この缶は後者の平たい缶詰にあたるのだが、横・縦幅が一般的なものとは少し違う。
周りの缶詰とは違うサイズを踏まえて、スーパーの陳列棚も専用スペースが設けられており、目立つ状態で店頭に並んでいた。
西京漬けの写真が箱いっぱいのスペースを使って印刷されている。
黒い和食器に赤身魚をのせ、味噌だれがかかる様子はなんとも高級感を感じる演出。きっと商品イメージを構成した方も京におられるような上品な方だったのだろう。
パッケージがシンプル、潔い感じが好印象。
多くを語らず、押しつけすることはない。
商品パッケージ裏の情報を確認しておこう。
ちょうしたが選び抜いた良質で脂がのった鯖を三枚におろし、西京焼き用味噌を使用して、じっくりと煮込んだ一品です。食卓に和食一品、またが酒肴としてもご利用下さい。
文頭にある「ちょうした」は田原缶詰のことを指す。ちょうし(銚子)+た(田原の“た”)とのこと。
食卓の主菜として、あるいはお酒のつまみとしてシーンを選ばずに提供できるのが良い。
肝心の鯖はノルウェー産の鯖を使用しており、それをフィーレ(=3枚おろし)にして缶の中で眠ってる。
早速、中身を開けて見てみよう。
中身
缶の蓋を開けた瞬間から、味噌と酒の香りが立った。
入っている鯖は2切れ。缶のサイズにジャストフィットするように収まっている。
蓋のクリップを使って開けた途端、これくらいの隙間からでも上品な香りが立っていた。
驚きのあまり、撮影した。
白味噌を使っているので、味噌の中でも見た目は少しスッキリとした印象。
白味噌は香りが特徴的、かつ甘みのある味噌でもある。
酒の肴としていただくのだとしても、キリッとした辛口の日本酒でも辛味が少ない「美山錦」や、まろやかな風味の「山田錦」なんかを選択するのもありだ。
編集を担当した僕は純米酒と合わせることに。
「週末なのだがら、純米大吟醸を選んで飲めばよい」と思ったが、その資金で新しいさば缶を獲得する必要があるのだ。
一枚の切り身を半分ほどの大きさにして、一口。
酒精の香りがふわっと口の中で広がり、後を追うようにして白味噌の甘みとコクがやってくる。
肝心の鯖の食感は、普段食べている鯖よりもスッキリしている印象。
一般的な味噌煮のさば缶よりも味噌のコクや甘みが控えめだからだと思われる。
というか西京漬け/焼きといえばサワラや鮭、タラなどの魚が使われるのが一般的で、鯖を使うのは珍しいな。と。
また、
3枚おろしであるがゆえ小さな骨が残っていることはないし、身が縮まることで一口あたりの旨味の凝縮具合も若干変わる。
非常に食べやすく、普段食べているさば缶のようなブロック型に用意される切り身とは違う食感、旨味を感じることができる。
サバ汁の〆方
毎缶(刊)『サバ汁の〆方』と題して鯖の切り身を食べた後に残った汁=サバ汁を使って楽しめるレシピを用意している。
今回は3枚おろしをすべて食べきって残ったこの西京味噌を含んだ汁。
ほとんどの人が実践したことがあることは少ないだろうレシピで〆てみたいと思う。
〆方
今回の〆で使うのは納豆。
好き嫌いが別れてしまう納豆、嫌いだという人はごめんなさい。
〆のレシピはとてもシンプルで、缶に入っているサバ汁を納豆の上に加える。
量の目安は500円玉くらいの大きさ。納豆と一緒に入っている醤油の量と同じくらい。
味噌をかけた後は、からしを乗せて完成。
味噌によって納豆のねっとり感が強まり、通常の納豆には感じることができない「コク」を感じ取れる。
また、塩気もしっかり残っているのでからしとの相性も抜群。
醤油を味噌に替えるだけでヘルシーさも増すし、納豆が「もう一品」的な存在ではなく、「しっかりとした一品」といった具合にグレードが上がる。
これを読んできっとこう思っただろう。
「これを〆にするのか?」
と。
最初に、用意して食卓に並べて置くことをおすすめする。
まとめ:週末さば缶#28|田原缶詰 鯖の西京漬け
今回はさば缶のジャンルのなかでは珍しい「西京漬け」のさば缶 田原缶詰 鯖の西京漬けを紹介した。
酒精の香りがふわっと口の中で広がり、後を追うようにして白味噌の甘みとコクがやってくる味わい。鯖は、味噌のコクや甘みが控えめであることでスッキリしている印象。
西京漬けのさば缶は珍しく、なかなか食べる機会もないと思うのでぜひ。
価格もこのコラムで紹介している缶詰と比較しても安価なさば缶であるので、スーパーで立ち寄った際にはぜひ手にとっていただきたい。
今回紹介した缶詰
<あとがき>
現在、本コラムで紹介しているさば缶が多くの方にとって手に取りやすい存在になるよう、色々な準備をしています。準備が完了次第、お知らせできればと思います。しばしお待ちを。
#28 缶(完)
来週もきっと朝から晩まで頑張って働く。
今のうちにご褒美を考えよう。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、
財布が緩いうちに、買っておこう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
僕は次の週末に向けて“さば缶”を探す旅に出る。
バックナンバー
#27
patagonia サントーニャ サバ オリーブオイル漬