今週も朝から晩まで頑張って働いた。
頑張った自分にご褒美を。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、もうひと頑張り。
重い腰を上げて、買いに行こう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
この『週末SABA刊』は、日本中の“今週頑張った”を癒すちょっぴり贅沢なさば缶を紹介し、
各々によって変わる“サバ汁”の簡単な〆方まで解説している週刊コラムである。
週末さば缶#25|若廣 サバスチャン〈ガーリック〉
暑い夏の日の夜、
朝に仕込んでおいた球体のロックアイスをグラスに入れ、ウィスキーのミニボトルを「パキッ、カシャ」と音を立てて開ける。
スコットランドの先人たちが「命の水」と表したそれをロックアイスに沿うように、”そっと”注ぐ。
「あの頃は少しまずかったウィスキーも今となっては美味しく感じるもんだ」と関心しながら、時の流れを感じる。
なんて粋な夜を毎週末過せる人がこの日本には何人いるだろうか。
どんな人でも何かの酒に味わいを感じながら「嗜(たしな)み」という言葉が合うように晩酌をしたいと思うことがあったはず。
この記事を見たならば、今週末こそは実現してみせよう。
そのためにもお酒のお供は重要だ。
今回はそんな週末にウィスキー・ジン・ウォッカなどといった香りが強めかつ、アルコール度数が高めの酒と食べ合わせたいさば缶を紹介しようと思う。
こういったお酒には「コク」のあるもので食べ合わせるのが一番。酒に合うコクを生み出すための食材は色々あるが、中でも「ニンニク」は王道の食材の一つだ。
週末SABA刊#25 のテーマは『”渋い”旨味はガーリックから』。
旨味ガーリックソースと一緒に鯖を楽しめる新感覚さば缶
を紹介する。
本商品は福井県に本社を置く株式会社 若廣から販売されている。この会社では今回紹介するさば缶の他に”空弁ブーム”で一世を風靡した「焼き鯖すし」を主力商品として北陸の水産物を活かした弁当・すしを販売している。
今回はその若廣から販売されている「サバスチャン」シリーズの1つガーリック味をチョイス。「サバチャン」シリーズはこのガーリック味と「バジル」「カリー」「トマト」をあわせて全4種類の展開だ。
どれも食べ合わせが楽しみになるようなジャンルばかり。
出典:https://wakahiro.jp/
さて、夏の夜の晩酌のお供にぴったりなこのさば缶をじっくりと見ていくとしよう。
食べて、紹介する側としてはこういった凝ったさば缶の〆方も楽しみの1つ。
見る側、そして将来的に食べることになるだろうあなたも、ぜひ楽しみながら読みすすめていってほしい。
外缶(観)
シックな筆記体で書かれた<Sabastian(サバスチャン)>の文字。
背景にはニンニクと鯖のイラストが交互に描かれている。
少し気になる「サバスチャン」という商品名は推測するに「セバスチャン」が語源。
ヨーロッパ圏の男性の名前でたまにみる「セバスチャン」という名だが、どこかこの名に馴染みがある。そんな気がした。
まず思いつくのは「アルプス少女ハイジ」に出てくる執事のセバスチャン、次にディズニー リトル・マーメイドに出てくるあの赤いカニのセバスチャン。といったくらいだが…。
その後、いろいろこの名に関する情報を調べてみたところ英語・スペイン語圏では「忠実さ、尊さを持ち合わせた」と言った意味が込められているらしい。その意に沿うようにこの商品も命名されたのだと思う。
「鯖の生き腐れ」という言葉があるくらい鯖の鮮度は短命。
群れに忠実で、新鮮であるかのように見えてすぐに腐ってしまう鯖の新鮮さは尊い。
パッケージ側面には謎の男が。
この男の正体はHPの商品紹介ページを確認しても明らかではない。
いつか若廣の商品開発担当の方に話を聞ける機会があればその意を伺いたい。
このさば缶の特徴は身近で簡単に手に入る食材との食べ合わせが楽しめること。
このガーリック味もそうだが、カリー・トマト・バジルといった味付けもいくつもの食べ合わせが実現できそう。
各々のおすすめレシピについてはパッケージ横のQRコードから確認できるようになっている。
商品購入後にどんな食べ方をしようか迷うことなく、楽しみながら食べられるので非常に助かる。
商品の主な原材料はガーリックソースとオリーブオイル。
「ガーリック→オリーブオイル」は王道中の王道。
さて、そろそろウィスキーを用意して食べ合わせる準備しよう。
中身
蓋を開けると焦がしニンニクの香りが ふわっ と立った。
食べる前に香りだけでウィスキーを一杯飲み干せそうなくらい食欲を掻き立てられる香りだった。
切り身の数は鯖の身の中でも大きい部位である腹が1つ、腹の半身が1つ、そして尾に近い部分が1つ。計3つの切り身が缶の形に沿うようにつまっている。
豆皿に取り出したときの様子は上の通り。
身はオリーブオイル色に染まってる。
箸で掴んだときには弾力をしっかりと感じられ、簡単に身はほぐれない。
尾に近い部位を箸でつまみ、反対の手でウィスキーのグラスを。
一口食べてみる。
箸ではしっかりと感じたその弾力は口の中に入れれば、柔らかみを感じる。
「そうだったよな、鯖の身はもともと軟性だったんだよな」と改めて実感する瞬間に。
また、オリーブオイルに染み込んだガーリックの香りが身の中から “じゅわ” と広がってくる。
ペペロンチーノを作るシェフがテレビで「細かくスライスしたニンニクを、熱したオリーブオイルに数分浸してオイルに香りを付けます」とアドバイスをしていたが、そうする意味がよくわからなかった。
しかし、このさば缶を食べるとその意味がよく分かる。
油分にガーリックの香りを与えることによって、オイリーさ、重量感、そして風味が全く違うものに変わる。「それはアヒージョを食べていたら分からないか?」とツッコミを入れたくなる気持ちもわかる。たしかにそうである。
ただし、そこに鯖があることでまた一風変わった、感じたことのない旨味を体感できる。
『”渋い”』
オイル漬けであるがゆえに鯖の臭みは低減されているので、魚らしさは少し失われているかもしれない。それでもなお身に残る脂分と繊維感がそのオイルに合わさると新しい食べのものに感じる。
脂分が少なめの尾部分を食べてこのような驚きを得たので、脂の多い腹の部分を食べると感動が増すに違いない。
食べてみた。
感動は倍だった。
身の外側に近い部分にある脂の大きさは一般的な鯖に比べても大きく、厚い。良質な鯖を選択していると思う。
原材料に「国産」としか記されていなかったため、ブランド鯖を使っているのか否かは不明。
しかし見ても、食べても良質な鯖であることは自明だ。
サバ汁の〆方
毎缶(刊)『サバ汁の〆方』と題して鯖の切り身を食べた後に残った汁=サバ汁を使って楽しめるレシピを用意している。
今回はガーリックの香りが染み込んだオリーブオイルがサバ汁。
今回の〆ではある食材を少しだけ調理して食べ合わせる。
〆方
〆で使うのはごぼう。
コンビニやスーパーに手に入る冷凍のごぼうでも、下準備の手間を惜しまなければもちろん生のごぼうでも問題なし。
調理と言っても特に凝ったことはしない。
冷凍ごぼうであれば少量の水を入れレンジで解凍。しっとりするくらいまで熱を通す。
一方生のごぼうを使う場合は十分にアクをとってから、同じように水分を含ませるように茹でる。
一通り下処理が済んだごぼうをサバ汁の中にダイブさせ、少しだけ残しておいた鯖の切り身と一緒に食べ合わせる。
ごぼうの独特の香りと歯ごたえがガーリックに絶妙にマッチ。
ガーリックソースに少量使われていた糖類も相まって病みつきになってしまう。
ウィスキーを持つ手が想定以上に止まらないので、十分に注意したいところ。
今回はごぼうに水分を与え、ごぼうの香りを低減させてガーリックの味を際立たせるようにした。
逆に、
ごぼうを揚げや焼きにして、水分の少ないごぼうの特徴が際立つ場合も美味しくいただけるだろう。
つまりはガーリックソースとオリーブオイルの存在が無限のレシピを生むということ。
まとめ:週末さば缶#25|若廣 サバスチャン〈ガーリック〉
今回は株式会社 若廣から販売されている 若廣 サバスチャン〈ガーリック〉を紹介してきた。箸ではしっかりと感じたその弾力は口の中に入れれば柔らかみを感じ、オリーブオイルに染み込んだガーリックの香りが身の中から “じゅわ” と広がってくることが特徴的なさば缶だった。
〆で紹介したレシピ含め色々な食べ合わせができるこのさば缶は無限の可能性を秘めてる。
パーティで振る舞うバケットに乗せるのも良し。
ウィスキーのつまみとしてももちろん、いろいろなお酒にも合うだろう。
涼しい夏の夜を嗜むための準備は今からするべき。
だからこそ近くのスーパーに今すぐ駆け出そう。
もし近くのスーパーに取り扱いがなかったときは、今一度この記事に戻って右の若廣のオンラインストアのURL(https://wakahiro.jp)から購入しておこう。
<あとがき>
このコラムを執筆している僕はつい最近引っ越しをしました。
前の住居はモノが少ないミニマリスト部屋であったため、表紙撮影のアイデアも撮影に使う小道具も頭打ちになってしまうことがあり困っていました。
しかし、新たな新居では様々な調味料、皿、テーブル、撮影場所があるため表紙撮影含め執筆も捗りそうです。
今後ともよろしくお願いいたします。
#25 缶(完)
来週もきっと朝から晩まで頑張って働く。
今のうちにご褒美を考えよう。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、
財布が緩いうちに、買っておこう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
僕は次の週末に向けて“さば缶”を探す旅に出る。
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