今週も朝から晩まで頑張って働いた。
頑張った自分にご褒美を。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、もうひと頑張り。
重い腰を上げて、買いに行こう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
この『週末SABA刊』は、日本中の“今週頑張った”を癒すちょっぴり贅沢なさば缶を紹介し、
各々によって変わる“サバ汁”の簡単な〆方まで解説している週刊コラムである。
週末さば缶#24|STONE ROLLS ひとくちスモーク金華さば
あっという間に訪れてしまった夏。今年の梅は黄色に熟す間もなかっただろう。
朝からじめじめとした湿度の高い空気のせいで目が覚めてしまうという人も多いのではないだろうか。
日差しが一番強い昼時は一歩も外に出たくない気持ちにもなるかと。
しかし、夜になるとその嫌な空気は和らぎ、涼しい風と一緒に気持ちも和らいでいく。
窓から流れる涼しい夜風を浴びながら、早めの夕食を済ませ、一杯。なんて心地よい夜を楽しめる季節のはじまり。
その夜が”週末“であればこの上ない幸福感を味わえること間違いなし。
そんな夜が訪れる日までにぜひ用意しておいてほしい1缶がある。
ブランド鯖 金華さばをホワイトオークチップを使用して燻した高級さば缶で、もの珍しいこだわりのあるさば缶の紹介。ぜひ今のうちに1,2個ストックを用意しておこう。
週末SABA刊#24 のテーマは『燻製 2.0』。
燻製ブームの一歩先をゆく高級絶品さば缶、
STONE ROLLS ひとくちスモーク金華さば
を紹介する。
販売元はSTIフードホールディングス。今回紹介する缶詰の他に高級魚の焼き物・干し物などをオンラインショップ中心に販売している食品メーカーだ。
このメーカーの主力缶詰はカレーさば缶シリーズの「お蕎麦屋さん風さばカレー」・「バターチキン風さばカレー」(#18で紹介済み)でさば缶界の中でも人気のある缶詰。
このたび、今回紹介する ひとくちスモーク金華さば が販売され、新たにメーカーの顔になりそうな予感がする。
テーマを「燻製 2.0」としたその新しさとは。
今まで紹介してきた燻製さば缶とは何が違うのか。その点についても一緒に紹介していこう。
外缶(観)
「燻(いぶ)す肴(さかな)」と書いて、「ibusa」と読むらしい。固有名詞のようだ。
外箱の下半分には商品イメージが印刷されており、燻しによって身の色が変化している金華さばの身が見える。
高級感と購買欲を掻き立てるパッケージだ。
ここ最近発売を開始したさば缶の多くは外箱を採用するようになり、各々でパッケージのこだわりがある。
もちろんこのパッケージについても。
例えば、下の商品名のフォント。
「燻」の漢字の上部分には囲炉裏にぶら下がった鯖の様子が。
商品棚で並んだときには気づかなかった細部まで目を届かせると食べる意外の楽しみ、面白みが増していく。
外箱側面には商品の詳しい説明が記載されている。
脂の乗った大型の金華さばを使用。黒糖をまぶして1晩熟成し、旨味を付与。相性の良いホワイトオークチップで燻製した逸品
ひとえに「燻製」と言っても、燻しに使用するチップ(木を細かくしたもの)の種類は多く、代表的なものではリンゴやクルミ、サクラなど他にもたくさんある。
今回使用しているホワイトオークは広葉樹 ブナの木の一種で、家具や建築材にも使われるような身近な木材。
魚を燻製するならばホワイトオークが良い言われているとか。
日本でもよく見る同じブナの木の燻製材とは違い、北米から輸入が一般的なホワイトオークチップ。ちょっとした贅沢な材料でコストも他に比べて少し高い。
原材料については三陸海岸のブランド鯖 金華さば、食塩、黒糖だけ。
深いコクと身のツヤを生むために加工黒糖を採用しているのだろうと推測。
また、魚の燻製や食品の中でも特にデリケートだからこそ、簡潔な調味料での処理が必要だったのだとも思う。
今回のテーマを「燻製2.0」としてこのさば缶の新しさを伝えたかったポイントはこの「プレーン具合」。
保存の便宜上このように調理された鯖の缶詰は植物油などと一緒に密閉することが多い。過去に紹介してきた燻製のさば缶はどれも最終的にはオイル煮に仕上げられていたため、燻し後本来の味や香りを100%感じることは難しかった。
しかし、このさば缶は少ない調味料で、かつ水分となる調味料は不使用。燻しの効果と旨味を感じてもらえるよう追求している珍しい一缶。
それゆえ、新しいと感じた。
中身
身のツヤはパッケージで見たときよりも仕上がり高く、銀の背中も獲れたての時のよう。
蓋を開けた時の香ばしさは食べているときには慣れてしまうものだから、ちゃんと記憶しておきたい。
水煮やみそ煮、もしくは焼きで仕上がったさば缶にはない身の柿渋色。
繊維の一本一本の間を通って、身の奥までしっかりと燻した時の香りが染み渡っているのが見てとれる。
箸でそっと小さく解き、鼻の前で慣れかけていた香りを今一度確かめるようにして口にしてみる。
香りはもちろんのこと、これまでに食べてきたさば缶の中でも鯖の繊維感を最も感じられた。
だからこそ「もう少しだけ、あともう少しだけ食べさせて」と、長い間口の中でその味を考え、食べ続けたくなる。
調味料で使われていた黒糖と食塩は強く感じることはなく、主役はやはり香りと金華さばの旨味。
製造工程で水分は発生しないので口の中で感じる”液感“は金華さば本来の「旨味」なのだとわかる。
これが鯖の旨味だ。
普段、水煮などの煮汁の水分に旨味が溶け込んでしまっていたので、しっかりと感じることができていなかったのかもしれない。
鯖らしい臭みは燻しの工程でなくなるため臭みがネックになる人にとってはぜひ一口味わっていただきたい一缶だ。
サバ汁の〆方
毎缶(刊)『サバ汁の〆方』と題して鯖の切り身を食べた後に残った汁=サバ汁を使って楽しめるレシピを用意している。
しかし、今回のサバ汁はない。燻製に汁はない。
これを踏まえて、今回は最後の一口まで美味しく味わえるこのさば缶ならではの〆レシピを紹介する。
使うのはこの夏に定期的に食べておきたいあの果実。
〆方
今回の〆で使うのはレモン。
果汁だけが入っているものではなく、生のレモンを使用する。
〆方は簡単。
半分に切ったレモンを強く絞る。
滴量にして10〜15滴くらい。気持ち少し多めで問題なし。
レモンを絞った後は皮を細かく刻み、それを香り付けとして身の上に乗せる。
この香り付けがアクセントとして大切であるためぜひ生レモンを選択してほしい。
細かく刻んだ皮を2,3個身の上に乗せた状態で一口。
すると、これまでにはなかった水分と酸味はもちろん、さっぱりとした香りが加わることでこのさば缶が生まれ変わってくる。
繊維と繊維の隙間にジューとレモンの甘酸っぱさが行き渡り、噛めば噛むほど渋みと爽やかさが感じ取れる。
それを実現するためにもぜひ、レモン果汁に加えて皮も付け足して食べていただきたい。
燻製料理に果実の酸味を加えるというレシピはあまりないが、ぜひ機会があれば試してほしい。
まとめ:週末さば缶24|STONE ROLLS ひとくちスモーク金華さば
なるべく少ない調味料で燻しの効果と旨味を感じてもらえるよう追求している珍しい一缶 STONE ROLLS ひとくちスモーク金華さば を紹介してきた。
魚の燻製にぴったりなホワイトオークチップを使用し、黒糖で旨味を引き出した製造工程に抜かりのないさば缶。少ない調味料で燻製のさば缶をつくるという新しさ。知っても納得、食べても納得のゆくさば缶。ぜひ一度素敵な週末のためにストックしておいていただきたい。
<あとがき>
暑くなるということは鯖の旬から離れるということかもしれないが、夏の間に紹介しておきたいさば缶はあと数個あります。絶えず更新を続け、ミニマリストの方を含め、僕の存在を知ってくれた皆さんにさば缶の魅力を届けていきたいと思います。
Twitterのフォロワー数が1000人を突破し、僕のことを知りたいと思ってくれる人が1000人単位でいることがとても嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。
#24缶(完)
来週もきっと朝から晩まで頑張って働く。
今のうちにご褒美を考えよう。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、
財布が緩いうちに、買っておこう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
僕は次の週末に向けて“さば缶”を探す旅に出る。
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