今週も朝から晩まで頑張って働いた。
頑張った自分にご褒美を。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、もうひと頑張り。
重い腰を上げて、買いに行こう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
この『週末SABA刊』は、日本中の“今週頑張った”を癒すちょっぴり贅沢なさば缶を紹介し、
各々によって変わる“サバ汁”の簡単な〆方まで解説している週刊コラムである。
週末さば缶#21|千葉産直サービス とろさば みそ煮
「トロ」は一般的にマグロの特定の部位を指す単語として使用され、「高級」「上質」「貴重」といったイメージを持つだろう。
この「トロ」の語源は肉質がトロリとしていることからとっているらしい。(なんとも安易なネーミング)
ということはこの「トロ」は魚の王様 マグロが独占使用権を持っているのではなく、食感が”それに”なればどの魚も「トロ」と名乗っても良いことになる。
では、僕たちの鯖の中でも特段トロトロなものを「とろさば」と呼ぶことにしよう。
週末SABA刊#21 のテーマは『厳選とろさば』。
そのテーマにぴったりな
これを紹介する。
販売元は株式会社 千葉産直サービス。無添加専門の食品開発・製造・販売を行っている企業で、今回紹介する缶詰製品の他に水産加工品や冷凍惣菜、精肉加工も取り扱っている。
その千葉産直サービスから販売されている「トロ缶シリーズ」の1つ とろさば みそ煮をこの週末にいただくとしよう。
”とろ”というからには使っている鯖はそれ相応の貴重性や上質感があるに違いない。もちろんトロトロ感も。
また、無添加食品を専門で取り扱っている企業ともあり、使う調味料にもこだわりが詰まっていると思う。それを踏んで今回はあえてみそ煮を選択してみた。
その内容はいかに。
外缶(観)
海老色のペンキで色を塗ったかのような部分に白い字で大きく「とろさば」と記載されている。
かなり勇気のいるネーミングだと思う。
「もし、食べた人がトロトロと感じなかったらどうしようか。」僕であればこんなことを考え、こんな勇気のいる命名はしない。
しかし、千葉産直サービスはこの「とろさば」という単語を登録商標(第5647225号)を取得して意思の固さ形で示してきた。
僕たちが「とろさば」と表現する際にはいろんな配慮が必要そうだ…。
「さば」という文字の上に小さな鯖が泳いでいる。
クルクルとその場を3周し、勢いよく海面に身を出そうとしているのか、それとも大きさの違う4匹の鯖をイメージしているイラストなのだろうか。
真意はわからない。
ただし、こうやってパッケージデザインを見て普段活用しないデザイン思考を養う時間も悪くはない。
<みそ煮のこだわり>が記されていた。
秋冬に穫れる脂ののったサバに、国産はだが麦使用の合わせ味噌と喜界島のきび糖、国産丸大豆醤油だけで骨が柔らかくなるまで煮込みました
ここまで調味料の詳細が記されたさば缶はなかなかなく、仕込みの本気度が伝わる。
「本気」で作られたものはどれも美味しい。
あまり馴染みのない原材料ばかりだったと思うので、一応補足。
はだか麦は大麦の一種で、主に愛知県で栽培されるブランド麦。それを味噌にあわせることで米や豆の味噌とは違う素朴な甘みを生む。
また、喜界島のきび糖は一般的な白砂糖に比べてザラメが特徴的で、砂糖でありながらもコクを出すことを目的に使われることがある。
最後の丸大豆醤油はスーパーでも簡単に手に入る醤油の一種。わざわざこの説明文に記すくらいであるから相当な数の検証を行い、満を持して選んだ醤油だったのだと思う。
最後に原材料表示を確認しておく。
内容量180g、固形量135gと高級さば缶の中でも少しサイズ感のある部類。それもそのはず平均約400g級以上の鯖から厳選していいるので、鯖のサイズにも抜かりない。
有名なブランド鯖 金華さばは大体500gくらいなのでそのサイズにこそ劣ってしまうが、貴重な鯖を使用しているさば缶をワンコインで買えてしまうのだがらすごい。
そろそろ中身を覗いていく。
中身
硬めの蓋。
蓋の裏についた味噌が白いTシャツにつかないように、慎重に開く。
開くと缶の高さいっぱいまでに詰まった味噌が見えた。
鯖の切り身が見えないくらいいっぱいの味噌が缶に詰まっている。
写真でも見て取れるくらい「ドロっ」とした重量感。
鯖の様子を見たいので、豆皿に移す。
身がとても大きい。
正直、金華さばと大きさが変わらないのではないか?と思ってしまうくらい。箸で皿に移す際も、その重さをかなり感じた。
切り身の断面。
しっかり身に味噌が染みている。
きっと家庭で食べる三枚におろされた鯖のみそ煮はここまで身に味噌が染み込むことはないだろう。しかし、さば缶ならではの加圧加熱でしっかり調味料がここまで染み込んでいる。
一口サイズにほぐし、実食する。
印象は簡潔。
一般的な鯖にあるギシギシとした食感とは異なり、しっとりした食感。比較的柔らかい腹や脂の部位だけでなく、内蔵に近い身の中心部位でもそう感じる。
また、味噌がしっかり染み込んでいるのがよく分かる。
歯で身をすりつぶす瞬間にじゅわっと味噌の香り、甘さ、コクの3点をしっかり感じた。フライパンで作る鯖のみそ煮も美味しいが、それにはない染み込み具合がさば缶のみそ煮にはあると改めて実感した。
肝心な「トロ」については腹の部分を食べてみるとわかる。
口にしたときの感覚はほぼなく、半液状のよう。ぜひ実感してほしい。
大げさのように聞こえてしまうのがとても悔しいが、半熟の卵のとろみの感覚に近い。噛むほどでもない硬度ながらも口全体でしっかり味が確認できる感じ。
サバ汁の〆方
毎缶(刊)『サバ汁の〆方』と題して鯖の切り身を食べた後に残った汁=サバ汁を使って楽しめるレシピを用意している。
今回のサバ汁はこだわりの調味料をつかったみそ煮汁。
サバの脂分が染み込んでいるサバ汁であるため、まろやかが増して良い〆になりそうだ。
〆方
今回用意したのは、キムチ。
スーパーで一食分サイズのキムチが販売されているので、これを活用して〆とする。
用意するのは、キムチ、サバ汁(みそ煮汁)、鯖の切り身一切れ。
他に調味料などは必要なし。
鯖の切り身の上にキムチをのせ、さらにその上からサバ汁をまんべんなくかけるだけ。
味噌に鯖の切り身とキムチに浸す。
よく見るとサバ汁の表面にしっかり脂が浮いているのがわかる。
鯖の身から”漏れた”脂。栄養たっぷりでEPA、DHAを多く含むんでいるから取りこぼすことなく摂取しよう。
キムチの辛味に甘みとまろやかさが足され、口直しというよりも”もう一品”になるうるオイリーな漬物に。
また、鯖と辛味の食べ合わせもピッタリ。
激辛というよりも少しピリッとした辛味を持ち甘さも比較的控えめなキムチを選択すると良いだろう。
まとめ:週末さば缶#21|週末さば缶#21|とろさば みそ煮
千葉産直サービスから販売されている「トロ缶シリーズ」の1つ とろさば みそ煮を紹介してきた。
鯖のみそ煮一つを製造するためにこだわり抜いた調味料、厳選された鯖の質。どれも間違いなかった。
トロの部位を食したときの半液状のような感覚をぜひ実感してほしい。
<あとがき>
ここ最近の値上げの嵐にさば缶市場も巻き込まれ、マルハニチロをはじめさまざまなメーカーが値上げを実施。一缶130円も出せば買えた缶詰も150〜170円くらいに値を上げています。
それに伴い本コラムの編集費が逼迫されています…。
今回紹介した商品
#21缶(完)
来週もきっと朝から晩まで頑張って働く。
今のうちにご褒美を考えよう。
ちょぴり贅沢な美味しい一品を用意しよう。
そうとなったら、
財布が緩いうちに、買っておこう。
“あなただけの” 特別なさば缶 を。
僕は次の週末に向けて“さば缶”を探す旅に出る。
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